メインコンテンツまでスキップ

Crosstalk 上司部下対談

若手と主任が語る、
モノづくりの未来と自分の未来。

白崎製作所でさまざまな製品の製造を経験してきたキャリア10年のS副主任と、入社して2年のMさん。二人は先輩と後輩として、ともにモノづくりをしながら会社の未来と自分自身の未来を見据えています。一緒にモノづくりに携わることでお互いが学んでいる、そんな二人の仕事ぶりを知ってください。

プロフィール

Story モノづくりに真摯に向き合う仕事がしたかった。

S.S.

大学を出た後、自動車部品メーカーで10年と少し働いて、その後、地元の墨田区に戻ってきました。当時、自動車産業が電動化などの転換期を迎えていて、将来への不安もあったのでジャンルを変えて、技術者としての新たな挑戦をしたいと思ったんです。高齢の両親からも「そろそろ地元に帰ってきたら」と言われていたことも、きっかけの一つですね。転職情報で白崎製作所を見つけたとき、最初は「こんなマンションに囲まれた場所に工場があるのか?」と驚きました。でも、選考を通じてモノづくりに真摯に向き合う会社だと分かり、ここでなら自分の経験を活かせると確信したんですよね。

R.M.

私は高校で求人票を見て、家から近いことや通いやすさで白崎製作所を選びました(笑)。でも決め手となったのは、会社見学の際に聞いた「多能化」という考え方でした。いろいろなスキルを身に付けながら成長できる環境があるとわかって魅力を感じましたね。家族のために早く自立したいという思いもあったので、ここなら頑張れると思いました。

Story 「なぜできたのか、なぜできなかったのか」を考える。

S.S.

白崎製作所に転職してきてちょうど10年です。この10年で工場内のほぼすべての工程や機械を経験してきました。金属を削る作業、樹脂を溶かして固める作業、板を研磨する作業と、ここにあるすべての機械と工程を10年で経験。最終的に現在は研磨部門の生産計画や現場のサポートを担当しています。

あとはイレギュラーなことが起こったときの対応ですね。どうリカバリーするのかを考え、生産そのものを守っていく。そこが大きな役割です。せっかくみんなで汗をかいて成果物を仕上げているのですから、努力がしっかりと報われる環境にしようと頑張っています。

R.M.

私は入社して2年目で、現在は研磨部門でメインのオペレーターになるための勉強中です。オペレーションをしている先輩の補助に入ったり、交代要員としてサポートしたり。入社当時は製品の梱包や洗浄などの手作業をしていましたが、今年から研磨作業に携わるようになりました。時々ですが、実際に製品づくりをさせてもらうこともあります。

S.S.

Mさんはまだ19歳ですが、今後はメインのオペレーターとして活躍してもらえるように、現場で経験を積んでもらっている真っ最中ですね。研磨作業はとても難しい工程なんです。板を1/1000mm単位の精度で加工するということは、髪の毛の1/100くらいの精度をださなければいけないということですよね。しかも、円盤のサイズは700mmくらい。そんな細かな作業でばらつきがないように研磨するためには、ただ機械を回すだけでなく、理論に基づいた調整が必要になります。ただ勘でやっていたのでは、次の世代に引き継いでいくことはできません。昔の町工場のように、ベテランの職人が引退したらそれでおしまい、ということになってしまいます。

R.M.

そこは普段、Sさんから教えていただいているときにも感じることですね。「見て覚えろ」ということではなく、ちゃんと理論的に覚えることが求められているんだということがわかります。だからこそ、実際に機械を動かして作業をするときは、ものすごく緊張しますね。だって、しっかり理解できているかどうかを毎回試されているということですから。でも、きちんと完成させられたときには、しっかり理屈でも身についたということなので、大きなやりがいを感じますね。

S.S.

まあ、確かに、経験値で覚えることもたくさんあると思います。でも、製造業でよく言われるのは「なぜ」を5回やるということ。それは、不明なところを何度も調べたり聞いたりしながらロジカルに解き明かしていくということです。あとは「5ゲン」というのもあります。原理・原則・現場・現物・現実の5つですが、ちゃんとそういうキーワードに当てはめてくことで、真実が明らかになっていく、というものです。

「よくわかんないけど、できました!」ではダメなんです。なぜできたのか、なぜできなかったのか。その「なぜ」の部分を解き明かすことによって、新しい物事が自分の中にしっかり見に付くし、誰かに伝えることができるようになります。偉そうなことを言っていますが、私自身も、そんな簡単なことにたどりつくまでに、とても長い時間がかかった気がします。

Story 仕事のやりがいを次の世代に伝える

R.M.

いま、仕事をしていて一番楽しいのは、自分の成長を実感できるときですね。最初は難しかったことができるようになったり、新しいことを覚えたりするたびにやりがいを感じます。

S.S.

嬉しいことを言ってくれますね(笑)。私のやりがいは、若手社員が成長していく姿を見ることです。Mさんのように仕事に向き合い、できることが増えていく姿を見ると、自分の経験を惜しみなく伝えてよかったなあと報われた気がします。私とMさんは年齢だと20歳くらい違う。こうなると先輩後輩、というだけじゃなくて、もう親子みたいな年齢差なので、世代的に伝えたいものを感じることがあります。それは、なにかと言うと仕事で一喜一憂してくれるような達成感かな。生活のためだけに仕事をするのではなく、仕事で喜んで、仕事で悩む。そんな仕事を体験してほしいですね。

そのために、うるさく言うときもありますね。私も若手の頃は、ベテランから何か言われると「うるさいなあ」と思ったこともありますよ。でも、10年、20年経つと言われたことの価値がわかることもあるんですよね。だからこそ、若手が仕事と楽しく向き合えるような職場づくりに、私たち上の世代が取り組んでいきたいです。

R.M.

新しいことを学ぶのですから、失敗することもあります。でも、その失敗から学べる環境があるということがありがたいです。失敗を学びにつなげてくれる先輩がいるというのは幸せなことだと思います。もちろん、プレッシャーがないわけではありません。でも、失敗しなければ正解も見えてこないということがモノづくりの面白さだと思っています。

S.S.

製造業の難しさは、決められた過程がないことですね。設計図があっても、それを実現するためには試行錯誤が必要です。不良品が出たときも原因を探り、仮説を立て、解決策を見つけるプロセスが求められます。その過程は大変ですが、それがモノづくりの醍醐味でもある。だからこそ、若手には自分の持っている知識や情報は全部伝えるようにしています。結果、答えが同じであってもいろんな経路があることを知って欲しいですから。口うるさいと思われているかもしれないけど(笑)。

R.M.

口うるさいなんて思っていないですよ(笑)。勉強になることばっかりです。惜しみなく教えてもらっているという実感があります。

S.S.

よかった。何も教えてもらっていないって言われたらどうしようかと(笑)。

R.M.

私は機械系やモノづくりについては何も知らないところから始めたので、基礎の基礎から全部教えてくださったSさんには感謝しています。本当にありがとうございます。

S.S.

特に覚えていることとかありますか?

R.M.

えっと、急に言われると…。

S.S.

思いつかないと(笑)。まあ、いっぱいありすぎて選びきれないってことにしときましょう。

Story 白崎製作所の強みをバトンタッチしていく。

S.S.

正直、Mさんと仕事をするなかで、自分自身の役割が見えてきたところがたくさんあります。日々仕事をしながら苦労しているところを見て、それを私が指導して、だんだんMさんのできる仕事が増えてきて。最初の1ヵ月くらいはどんよりした表情だったよね。

R.M.

いや、最初は何をやってもうまくいかないし、どうしたらいいんだろうって。

S.S.

できることが増えて、機械も触れるようになったら、驚くほど表情が明るくなっちゃって。

R.M.

いや、本当にありがとうございます。いま明るく元気に仕事ができるのもSさんのおかげです。原理原則からロジックで教えてもらえるのは理解しやすいんですよね。

S.S.

社内で図面の読み書きの講師を務めるようになってから、余計に下の世代にどうすれば伝わるのかを考えるようになりました。私も要領のいい人間じゃないので、一生懸命に学ぼうとする人の役に立てるのが嬉しいんです。白崎製作所の財産でもあるMさんのような前向きな人材を一人でも多く増やしていきたいですね。

R.M.

私ももっと深い知識をもって、将来はSさんのような役割を担うような存在になりたいですね。そのためにはもっといろんな知識を身に付けたいと思っています。これからもよろしくお願いします。