
Message 経営層メッセージ
専務に聞く、
白崎製作所の
次の100年について
Profile
白崎将平
専務取締役
2015年、白崎製作所に入社。現在は専務取締役として経営理念を守り続けながら、教育制度の拡充などの改革も進めている。
次の100年を担う経営幹部が、
白崎製作所の未来を語ります。
白崎製作所には、じっくりとお話ししないと伝わらない魅力がいっぱいあります。なにしろ、会社を継ぐと決めた私自身が、その魅力に気付くのに時間がかかったくらいですから…。では、会社を継ぐ決意をした私から、白崎製作所についてお話したいと思います。少し長くなると思いますが、じっくりと聞いてください。

父の会社という考えがずっとあった。
出身地を聞かれるといつも笑い話になるのですが、生まれも育ちも葛飾です(笑)。葛飾はいまも昔も町工場の多いところで、私の生家の家業も白崎製作所という町工場でした。この会社は曽祖父が創業したもので、日本の高度経済成長にのって世の中が求めるものをつくって成長してきました。妹が二人いるのですが、祖父は昭和の人なので「お前が会社を継げ」と幼い頃から言われていました。父は逆で「お前の好きにすればいい」と継ぐことを強要することはありませんでした。
財務試算表を確認して、継がせてくださいと父に言った。
大学3年のときに、父から「どうするんだ?」と聞かれたときも「継がない」と答えました。当時は大学で学んでいた経理が面白くて、本気で税理士を目指していました。しかし、大学院に進んだある日、白崎製作所の財務試算表を見る機会があったんです。驚きました。町工場だと思っていた白崎製作所の財務がとても魅力的に見えて。しっかりと利益の上げられるものを作り、それが信頼となって取引先との長い付き合いにつながっているということが、数字からわかったんです。私は父に「会社を継がせてほしい」と伝えました。

白崎製作所での修行と試行錯誤
大手工作機械メーカーで1年間の研修を受けてから、白崎製作所へ入社しました。2015年、私は26歳でした。これまでの白崎製作所は父の才能と努力、そして行動力で大きくなってきたと言っても過言ではありません。でも、私にはそんな才能はない。何をやればいいのかもわからないし、社内の人間関係やパワーバランスにも疎かったので、新卒社員から「専務って、どんな仕事をしているのですか?」と質問される始末でした。
流れが大きく変わったのは入社4年目でした。私は生産管理のポジションを任され、会社全体の流れや課題が把握。全体を俯瞰できるようになったことで、現場でも説得力のある言葉を伝えることができるようになり、経営者としての視野を大きく広げることができました。
人を育てる会社への改革
手がけているビジネスは社会から必要とされているもので、業績も悪くはありません。利益率はおそらく大手メーカーが聞けば腰を抜かすくらいに良かったりする。でも、私が入った当時の会社は「人を育てる会社」ではなく、「人が勝手に育つ会社」というイメージでした。「背中を見て覚える」という風土が残っていて、うまく技術を学べる人とそうでない人の差がありました。
私は教育制度に力を入れることこそが、白崎製作所を継ぐ私の使命だと感じました。まず、会社としてひと月に一度というペースで、外部研修を頻繁に行うようにしました。すると、面白いほどの効果が現れました。社員たちがリーダーシップやコミュニケーション能力を学ぶことで、離職率が大きく低下しました。みんなで話し合う、みんなで教え合うという文化が芽生え、社内には明るい笑顔が増えていきました。

白崎製作所の強みと未来への展望
白崎製作所の強みは、お客様の課題に真摯に向き合い、解決策を提案できるホスピタリティ精神にあります。「お客様の笑顔のために仕事をする」という理念は、創業当初から受け継がれてきたものです。そんな理念を掲げている社内の人間が、お互い助け合えないでどうするんだ、ということですよね。でも、そんな当たり前のことに気付くまでに時間がかかりました。そして、私は思いました。そんなホスピタリティあふれる会社になれば、社内に意欲的な人材の素晴らしい笑顔があふれるようになるはず、と。
振り返ると、すでに私たちには90年以上に及ぶ豊かなストーリーがありました。あと数年で白崎製作所の物語は100年分になります。大切なことはこれまでの100年を序章として次の100年を歩み出すこと。それは、私たちがずっと経営目的として掲げてきた「会社の繁栄を果たし、社員の幸福を実現し、関連会社・取引先を繁栄させること。そして、それを新しい文化の創造につなげ、社会に貢献すること」という流れを大切にすることに他なりません。
教育研修によって社員一人ひとりのポテンシャルを高めたら、次は会社の社会的な役割を明確にしなければなりません。社員一人ひとりが「自分の仕事が世の中にどう貢献しているのか」を実感できる環境を作ることで、さらにモチベーションを高め、持続可能な組織を目指します。技術的なアプローチや商売の仕方は大きく変えない方針ですが、働く意義や社会への影響について社員と共に考え、私も一緒に成長していきたいと思っています。
一緒に次の100年を創っていきましょう。
私が白崎製作所を継ぐと決断したことで、さまざまな気付きと学びを得ることができました。それができたのは、いままで白崎製作所を支えてくれていた社員たちのおかげです。次は、あなたと一緒に、次の100年に向けて、現在の基盤を活かしつつ、新しい価値を創造し続けていきたいのです。ともに未来を築き、ともに社会へと貢献していきましょう。
あなたとの出会いを楽しみにしています。

